香り高く爽快、時にシャープで、時にトロピカルな表情も見せるソーヴィニヨン・ブラン。
品種ごとに最適な料理やシチュエーションを探ることはあっても、1つの品種で違いを見出すことはなかなか無いのではないでしょうか?
今回は、3種のソーヴィニヨン・ブランを取り上げ、それぞれの土壌と造りから紐解き、味わいと料理、季節やシチュエーションとの相性に迫ります。
1. シャン・デュ・ジャルダン 2022 クロ・コンスタンタン
産地:フランス・ラングドック地方
土壌と醸造
南フランス・ラングドックの標高300m前後の冷涼な区画から、粘土石灰質土壌をベースに、乾燥した地中海性気候と涼風がブドウを引き締めます。醸造はステンレスタンク主体で、果実味とミネラルの透明感を活かしたスタイル。
味わいと料理の相性
白桃やライム、フェンネルのようなハーブ香に、ラングドックらしいボディ感と骨格。
相性の良い料理: グリルチキンのハーブマリネ、魚介のブイヤベース風スープ、シェーブル(山羊)チーズ
合うシチュエーション
晴れた午後や、アウトドアランチに最適。軽やかさと厚みのバランスが、自然の中での食事によく合います。
2. ソーヴィニヨン・ブラン 2023 ヌアラ
産地:ニュージーランド・マールボロ
土壌と醸造
マールボロは、世界屈指のソーヴィニヨン・ブランの名産地。石礫混じりの沖積土壌と、昼夜の寒暖差が大きい気候が特徴です。ヌアラのソーヴィニヨン・ブランは低温でのステンレス発酵により、鮮烈なアロマを最大限に表現したスタイル。
味わいと料理の相性
パッションフルーツ、ライム、グーズベリーに、爽快な酸とピュアな果実感が際立ちます。
相性の良い料理: シーフードサラダ、レモンとディルのサーモン、ベトナム風春巻き
合うシチュエーション
夏の昼下がり、キッチンから出てすぐにテラスで乾杯したくなる1本。パーティーやBBQにもぴったり。
3. サンセール・ブラン 2022 ドメーヌ・ドゥニゾ
産地:フランス・ロワール地方 サンセール
土壌と醸造
カイヨット(石灰質)の複雑な土壌が生むミネラル感と緊張感が魅力。ドメーヌ・ドゥニゾは自然な栽培と丁寧な選果を重視。醸造はコンクリートタンクとステンレスタンクで、純粋なテロワール表現を追求しています。
味わいと料理の相性
グレープフルーツ、白い花、わずかにスモーキーなニュアンス。緻密でクールな酸が印象的。
相性の良い料理: 生牡蠣、シェーヴルチーズ、白身魚のカルパッチョ
合うシチュエーション
夕暮れ時、静かにワインと向き合いたい夜。チーズや前菜とともに、ゆっくりと時間を楽しむひとときに。
まとめ:同じ品種、異なる個性
ソーヴィニヨン・ブランという一つの品種でも、産地・土壌・気候・造り手によってここまで違う表情を見せる──それがワインの奥深さです。あなたの気分やシーンにぴったりの一本を見つけてみてはいかがでしょうか?
生産者名 | 味わい | テロワール | ベストシチュエーション |
クロ・ コンスタンタン |
ハーブ感と ボディの調和 |
粘土石灰質 (ラングドック) |
春~初夏の |
ヌアラ | トロピカル &爽快 |
石礫質・沖積土 (マールボロ) |
夏のテラスBBQ |
ドメーヌ・ |
緻密さと ミネラル感 |
石灰質 (サンセール) |
晩夏~初秋の夕暮れの食卓 |