フランスで最も権威あるワインガイドのひとつ、『La Revue du vin de France(RVF)』の最新版『Guide des meilleurs vins de France 2027』が発表されました。
今回の改訂において、フランス全土でわずか34軒のみが選出された「2つ星(★★)」への昇格。その中に、セパージュが日本へお届けしているカオールの造り手、ドメーヌ・コンベル・ラ・セール(Combel-La-Serre)の名前がありました。
南西地方(Sud-Ouest)から選ばれたのは、マディランの巨匠シャトー・ブスカッセ、ドメーヌ・カステラ、そしてコンベル・ラ・セールのわずか3軒のみ。新世代のカオールを牽引する造り手が、ついにフランスワイン界の頂点の一つとして認められた瞬間です。
「黒ワイン」のイメージを塗り替えた、カオールの革命児
カオールといえば、長らく「ブラック・ワイン(黒ワイン)」— 濃く、力強く、堅牢。そんなイメージで語られてきた伝統的な産地です。コンベル・ラ・セールは、その固定観念を静かに、しかし決定的に書き換えてきました。
カオールから17km、標高の高い石灰岩台地(コス/causse)に広がる23haの家族経営ドメーヌ。2003年に息子のジュリアンが戻って以降、オーガニック栽培への移行や手仕事の徹底など、大きな改革が進められました。
そして2014年、土壌をゼロから見直して区画ごとに分け、全キュヴェを作り直すという大胆な決断を下します。
その結果生まれたのは、重厚な抽出に頼らず、石灰質由来のミネラルとマルベック本来の透明感を鮮やかに映し出す、まったく新しいスタイルでした。
「濃さ」ではなく「純度」で語られるカオール。
今回の2つ星昇格は、10年以上にわたり土地と真摯に向き合い続けた彼らの仕事に対する、極めて高い評価だと確信しています。
ドメーヌ・コンベル・ラ・セールの注目ラインナップ
ドメーヌの哲学を色濃く反映した、おすすめのラインナップをご紹介します。
・カオール ル・ピュール・フリュイ・デュ・コス 2023
タンク熟成のみで仕上げた、ベリーの瑞々しさとスミレの香りが際立つ1本。ドメーヌのピュアな思想をまず知るならこちらから。
・カオール キュヴェ・シャトー 2021
樹齢40年のマルベックを使用。熟したプラムにグラファイトのミネラル感、ほのかな塩味が心地よいエレガントな仕上がり。
・カオール オー・スリジエ 2021
セメントタンクで約15ヶ月熟成。シルキーな口当たりと、従来の力強いカオール像を覆すほどのエレガンスを誇ります。
・ド・ラ・テール・ア・ラ・リュヌ 2024
北向き斜面のヴェルメンティーノから生み出される希少な「カオールの白ワイン」。チョークのような繊細な塩気が魅力的です。
ブルゴーニュの取扱い生産者「ドメーヌ・ゴワゾ」も同時に2つ星へ
今回の2つ星昇格リストには、セパージュが取り扱うもう一つの素晴らしい生産者、ブルゴーニュ・サン・ブリのドメーヌ・ジャン・ユーグ&ギレム・ゴワゾ(Domaine Goisot)の名前も並んでいました。
2001年に有機認証、2005年にデメテール(ビオディナミ)認証を取得し、テロワールの真髄を表現し続けるこの地の手本的ドメーヌです。
おわりに
決して派手な大産地ばかりではありませんが、土地と真摯に向き合い、妥協のないワイン造りを続ける造り手たちが正当に評価されることは、私たちにとっても大きな喜びです。
世界最高峰の評価を得た新たなプレミアム・カオールを、ぜひ秋の贅沢な食卓でお楽しみください。