近年、ワインの価格高騰が著しく、中でもブルゴーニュはその傾向が非常に顕著です。
数年前まではコート・ド・ニュイの銘醸地、ジュヴレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネといったアペラシオンでも数千円で購入できましたが、最近は1万円を切って入手するのが非常に難しいのが現状です。
他の国地域にピノ・ノワールの活路を見出すのも一つですが、まずはブルゴーニュの中でもまだまだ手の届く範囲で購入できる素晴らしいピノ・ノワールがあります。
同じピノ・ノワールというブドウ品種でも、ブルゴーニュでは産地によって驚くほど表情が異なります。
それは気候、土壌、標高、そして歴史的な栽培哲学の違いが、繊細なピノ・ノワールに如実に現れるからです。
今回は、コート・ド・ニュイ以外のブルゴーニュのピノ・ノワール、コート・ドセール/コート・ド・ボーヌ/コート・シャロネーズの4つの広域産地について、それぞれの味わいの違いを解説します。

コート・ドセールのピノ・ノワール
シャブリの西側にある地区で、シャブリと聞くと白ワインのイメージが強いですが、実はこの地域にもピノ・ノワールの産地があります。
味わいの特徴
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赤系果実(クランベリー、レッドチェリー)が中心
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アルコール控えめで軽快
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高めの酸が全体を引き締める
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土っぽさや鉄分を思わせるニュアンス
冷涼な気候とキンメリジャン土壌の影響で、
果実味よりも酸とミネラル感が前に出るスタイルが特徴です。
👉 「軽やか・シャープ・食中向き」
和食や前菜、シャルキュトリーとの相性が抜群です。
▶おすすめワイン

コート・ド・ボーヌのピノ・ノワール
白ワインの名声が高い一方で、
赤ワインも優美で洗練されたピノ・ノワールを生み出す産地です。
味わいの特徴
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レッドチェリー、ラズベリーなど赤系果実主体
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酸と果実のバランスが美しい
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タンニンは滑らかで口当たりが柔らかい
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花や紅茶を思わせる繊細な香り
コート・ド・ニュイに比べると、
エレガンスと透明感が際立つスタイルが多く見られます。
👉 「しなやか・エレガント・調和型」
料理との相性が良く、若いうちから楽しめるのも魅力です。
同じコート・ドールでも、
コート・ド・ニュイは「骨格と深み」、
コート・ド・ボーヌは「優美さとバランス」
という個性の違いが、ピノ・ノワールに明確に表れます。
▶おすすめワイン

コート・シャロネーズのピノ・ノワール
コート・ドールの南に位置するコート・シャロネーズは、
近年クオリティが急上昇している注目エリアです。
味わいの特徴
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チェリー、ラズベリーなど親しみやすい果実味
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酸は穏やかで丸みがある
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タンニンは柔らかく、早くから楽しめる
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ほのかなスパイス感
メルキュレイやジヴリなどでは、
コート・ドールに通じる要素を持ちながら、より実直で素直な表現が楽しめます。
👉 「果実豊か・親しみやすい・コスパ良好」
ブルゴーニュ入門から日常使いまで幅広く活躍します。
▶おすすめワイン
ブルゴーニュ・コート・シャロネーズ ルージュ 2023 ドメーヌ・ド・レヴェシェ

まとめ:産地によるピノ・ノワールの性格
| 産地 | 味わいの方向性 |
|---|---|
| シャブリ地区(コート・ド・セール) | 軽快・高酸・ミネラル |
| コート・ド・ボーヌ | 優美さ・バランス |
| コート・シャロネーズ | 果実豊か・親しみやすい |
同じピノ・ノワールでも、
「どこで育ったか」によって、これほど個性が変わるのがブルゴーニュの面白さです。
手の届く価格でブルゴーニュ・ピノ・ノワールを選ぶときは、
こちらの記事を参考に、好みのタイプを見つけてみましょう。
その一歩が、ワインの楽しみをぐっと深めてくれるはずです。