【近年の酷暑とは無縁の、エレガントでフレッシュなスタイルのトスカーナ】

歴史学者としてのキャリアを歩んでいたファビオ・キアレロットが1998年にモンテペローソの土地を購入したとき、すでにこの土地は世界的なスターダムへの道を歩んでいました。ファビオはその名声に安住することもできましたが、この土地がポテンシャルを最大限に発揮し始めたばかりであることを理解していました。

ワイナリーは、ティレニア海からほんの数マイル内陸に入ったスヴェレートの町周辺の丘陵地帯に位置しています。この地域の石化した粘土質の土壌と、温暖な地中海性気候が、ワインに驚くほど力強い風味を与えています。

コッリーネ・メタリフェレによって中央トスカーナから切り離されたスヴェレートの町は、中央トスカーナと同様にフランスのプロヴァンスとも多くの共通点を持っています。この土地の植物は「マッキア」と呼ばれ、常緑低木とハーブのブレンドで、プロヴァンスの「ガリーグ」に非常に似ています。この特徴が、モンテペローソの完成したワインに紛れもない地中海の個性を与えています。

ファビオは、まずブドウ畑を丹念に作り直すことから始めました。国際品種は徐々に土着品種や伝統的なクローンに置き換えられていきました。彼はブドウ畑の健全な栽培に力を入れ、スヴェレートの温暖で乾燥した夏でもブドウの樹が育つようなバランスを見つけることに注力しました。ヴィンテージを重ねるごとに、テロワールがその力を十分に発揮できるように巧みに調整しながら、この土地本来の力を生かすブレンドや技術を試してきました。

ファビオは今日に至るまでワインをアップデートし続けています。彼は、夏の暑さの影響でますます濃厚なワインになるにつれ、かつては有望だったモンテプルチアーノを徐々に排除し、マッキアに覆われた丘の斜面の高い位置に新しい畑を植えることでフレッシュさを追求してきました。このような微妙な向上を常に追求し続けた結果、ヴィンテージを重ねるごとに少しずつ個性的で洗練されたワインが生まれるようになっています。今日、モンテペローソのワインは、トスカーナで最も美しく、深遠で、表情豊かなワインのひとつに数えられています。