
Les Terres de Fagayra
レ・テール・ド・ファガイラ
【天と地が育む、琥珀の雫 】
南フランス、ルシヨン地方マリー村の最北端。灼熱の太陽と乾いた風が吹きすさぶこの荒々しい土地に、Les Terres de Fagayra(レ・テール・ド・ファガイラ)はあります。マリーといえば古くから天然甘口ワインの銘醸地として知られる産地ですが、その中でもこのドメーヌは、ひときわ厳しい環境の一区画に根を張っています。2008年、名門ドメーヌ「ロック・デ・ザンジュ」を営むマルジョリー&ステファン・ガレ夫妻が、この一区画に眠る秘めた可能性に魅せられ、独立した小さなドメーヌとして立ち上げました。畑は片岩とカルク片岩からなる痩せた土壌で、岩盤がわずか地表1メートルの深さで露出するほど過酷な環境です。だからこそ樹齢を重ねた古樹は水を求めて根を深く大地へと伸ばし、凝縮感あふれる果実を実らせるのです。
栽培は2009年から有機農法へと転換し、2011年にはビオディナミの認証も取得しました。畑では極力人の手を加えず、収穫したブドウは自生酵母のみで丁寧に醸されます。派手な技術に頼らず、土地そのものの記憶を静かにグラスへと閉じ込める、それがこのドメーヌの流儀です。生まれるのは、マリー地区に古くから伝わる天然甘口ワイン(ヴァン・ドゥー・ナチュレル)。ブラン、グルナ、ルージュと、それぞれ異なる表情を見せるラインナップの中で、太陽をたっぷりと蓄えたグルナッシュが、干し無花果やカカオ、スパイスを思わせる複雑な香りへと昇華し、シルクのような滑らかな口当たりの奥では、澄んだ酸がワイン全体の輪郭を引き締めます。
ロバート・パーカーや「ラ・ルヴュー・デュ・ヴァン・ド・フランス」をはじめ、世界の評論家たちからも高い評価を受けるその味わいは、まさに南仏の太陽と荒々しい大地が一滴に凝縮されたような一杯。近年は新たな造り手へと引き継がれながらも、創業当時からの哲学は変わらず息づいています。冷やしてブルーチーズと合わせたり、チョコレートデザートに寄り添わせたりと、特別な夜を彩るデザートワインとして、また食後のゆったりとした時間のお供として、荒々しい大地から生まれるこの一滴を、どうぞじっくりと味わってみてください。



