ヴィオニエ/グルナッシュ・ブラン/マルサンヌ/ルーサンヌ
フランスのローヌ地方と聞くと、多くの方がまず思い浮かべるのは、力強くスパイシーな赤ワイン。しかし実は、ローヌは白ワインの宝庫でもあります。北ローヌと南ローヌでは気候や土壌が大きく異なるため、白ワインのスタイルも地域によって個性がはっきりと分かれます。
そのローヌ白ワインの味わいを決定づけているのが、こちらでご紹介する4つの主要品種です。それぞれの特徴を理解することで、ワイン選びの幅がぐっと広がり、自分好みの1本に出会う近道になります。

1. ヴィオニエ(Viognier)──北ローヌの象徴、アロマティックの女王
ヴィオニエは、北ローヌを代表する白ブドウ品種であり、その華やかな香りは世界中のワイン愛好家を魅了しています。桃、アプリコット、白い花、時にトロピカルフルーツまで感じられる芳醇なアロマが特徴で、甘い香りからは想像がつかないほど、味わいはしっかりと辛口。
特に有名なのが、コンドリュー(Condrieu) と シャトー・グリエ(Château-Grillet)。どちらもヴィオニエ100%で造られ、ヴィオニエの魅力を純粋な形で味わえる産地です。
リッチでオイリーな質感がありながら、フレッシュさも併せ持ち、アジア料理やクリーミーな料理との相性が抜群。ローヌ白を語るうえで欠かせない存在です。
おすすめヴィオニエ
モン・グラン・ペール・エテ・リモナディエ 2023 ドメーヌ・ジュリアン・ピロン
メロン、フェンネル、白桃といった美しくピュアなフレーバーに、香しい花のアロマがフィニッシュにかけて立ち上り、仄かな苦みのおかげで非常にフレッシュな味わいが広がります。

2. グルナッシュ・ブラン(Grenache Blanc)──南ローヌの骨格を支える存在
南ローヌを中心に栽培されるグルナッシュ・ブランは、白ワインにボリューム感と安定した果実味をもたらす品種です。白桃や洋梨の厚みある果実味に加え、フェンネルやアニスのような地中海らしいハーブのニュアンスも感じられます。
暑い気候でも酸が落ちにくく、「しっかりとした白が好き」という方におすすめ。単一よりもブレンドで力を発揮し、料理との相性も広く、中華・和食・地中海料理まで対応できる懐の深さがあります。
南ローヌのシャトーヌフ・デュ・パプ(Châteauneuf du Pape)やコート・デュ・ローヌ・ブラン(Cotes du Rhone Blanc)では特に重要な役割を担っており、味わいのベースを形づくる品種と言えるでしょう。
おすすめグルナッシュ・ブラン
コート・デュ・ローヌ シニャチュール ブラン 2024 シャトー・ド・ラ・フォン・デュ・ル

3. マルサンヌ(Marsanne)──丸みと深み、熟成の魅力も楽しめる品種
マルサンヌは、北ローヌのエルミタージュ(Hermitage)、サン・ジョセフ(Saint Joseph)、クローズ・エルミタージュ(Crozes Hermitage)などで重要視される品種です。アロマは穏やかですが、梨、蜂蜜、アーモンド、ヘーゼルナッツといったふくよかな香りが特徴。
口当たりは丸く、柔らかく、余韻にかけてじんわりと広がる旨味が魅力です。熟成に耐える力も強く、時間を重ねるほどにナッツやハーブが深まり、魅惑的な複雑さが出てきます。
ローヌ白の中でも「深みのあるスタイルが好き」という方には、このマルサンヌがぴったりです。
おすすめマルサンヌ
クローズ・エルミタージュ・ブラン オン・ザ・ローヌ・アゲイン 2023 ドメーヌ・ジュリアン・ピロン

4. ルーサンヌ(Roussanne)──エレガンスと酸の美しさをもたらす品種
マルサンヌと対になる存在がルーサンヌ。白い花、洋梨、ハーブなど、アロマに優雅さがあり、細かな酸がワインに縦のラインを与えます。単独でも美しいワインになりますが、ブレンドにすると特に真価を発揮し、全体のバランスを整え、ストラクチャーを引き締めます。
マルサンヌとのブレンドは北ローヌの伝統的スタイルで、エルミタージュ・ブランなどではこの2品種が主役。熟成すると蜂蜜のような魅力が生まれる、非常にポテンシャルの高い品種です。
おすすめルーサンヌ
ルーサンヌ 2023 ドメーヌ・ヴァンサン&アレクサンドル・クルゼル

ローヌ白を選ぶときは、まず“品種”から入るのが近道
ローヌの白ワインは産地や造り手だけでなく、ブドウ品種によって味わいが大きく変わります。
まずは今回の4品種(ヴィオニエ/グルナッシュ・ブラン/マルサンヌ/ルーサンヌ)を知ることで、ローヌ白の世界が一気にわかりやすくなり、自分の好みに合わせた選び方がしやすくなります。
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華やかさと香り → ヴィオニエ
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ボリュームと果実味 → グルナッシュ・ブラン
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丸みと熟成感 → マルサンヌ
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エレガンスと酸 → ルーサンヌ
ローヌ白に興味を持った方は、ぜひ品種ごとの違いに注目してテイスティングしてみてください。きっと、新しい発見があるはずです。